2017/09/21
ミラノ ファッションウィーク:「グッチ」で開幕
2017/09/21
ミラノ ファッションウィークが、「グッチ(Gucci)」のデコラティブなコレクションで幕を開けた。古の世界とダウンタンのナイトクラブが交わるショーだ。
ナイトクラブのパーティーに繰り出すようなルックだが、しかしランウェイには、アルカイックスマイルを浮かべるブッダや、スフィンクス、カエサル、メデューサの頭を掲げたペルセウスといった像が並ぶ。コレクションに関しても、それらを全てミックスした更に上をいく仕上がりを見せてくれた。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は、明王朝の王族からピカソの道化師、はてはドラキュラ風のケープに至るまで、いくつもの文化と時代を軽々と横断する。
「Don’t Marry a Mitford(ミットフォード姉妹とは結婚するな)」と書かれたセーターなど捻りのきいたデザインをはじめ、エキセントリックなエンブロイダリーが施されたメンズスーツ、ディスコ風トラックスーツなどがランウェイに溢れた。中でも、フィナーレ前に現れたピンクのシフォンドレスのルックは目を引いた。フロアに届くレングスにプリーツを施し、肩にはクリスタルをふんだんに。そして腕には、ロゴをもじった「Guccy」という字が描かれたクラッチを抱えた。
「新しいものを生み出すのに、古代に浸る必要があったんだ」とアレッサンドロ・ミケーレはバックステージで語る。
ショーのタイトルは、「The Act of Creation as an Act of Resistance(抵抗活動としての創作活動)」。ミケーレは、ジル・ドゥルーズからアルベール・カミュ、ハイデッガーまで引用する。
多くのショーで似たテーマを選んでいるミケーレだが、今回のコレクションでは、新境地を開拓してみせた。
商業的にもこれ以上ないほど好調な「グッチ」。無名だったミケーレを抜擢したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)CEOも上機嫌だった。
「上期には29億ユーロ(約3900億円)の売上高を記録した。この調子でいけば、年末には世界第2位のラグジュアリーブランドになる。まだ『ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)』には敵わないが、『シャネル(Chanel)』と『エルメス(Hermès)』を追い越しつつあるんだ。すごいことだろう!」とCEO。
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