2017/09/22
ミラノ ファッションウィーク:「プラダ」流"ミリタリー"メッセージ
2017/09/22
ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)が発表した「プラダ(Prada)」18年春夏コレクションは、賑やかでカートゥーンライクな、アスレチックスポーツ要素に溢れた素晴らしいものだった。招待客の拍手もひと際大きい。
「ミリタリー。これがメインのアイディアよ」とプラダ。グループの業績は伸び悩んでいるものの、ここ数四半期の低迷を経て、デザイナーはそれでも巻き返しを図るべく奮闘しているように思われた。
ミウッチャ・プラダが得意とするテーマの一つが、カートゥーンイメージだ。会場の壁にも一面に巨大なモチーフがあしらわれ、コレクションのプリントにも使用されていた。中でも目についたアイテムは、ゴートスキンのコートだ。背中では、ガーリーでロマンティックなコミック調のタッチで描かれた女の子が「I love Prada」と言っている。
コミックタッチのプリントはレザーのハンドバッグにも。また、ダブルのボーイフレンドコートは、一見厚手のヘリンボーン生地を用いているようでいながら、白いファブリックが覗いて実はプリントであることがわかる、という凝ったデザインだ。アニマル柄のラペルや、レッドクリスタル、色とりどりのボタンを用いた装飾も、ドラマチックな要素を加えている。
あらゆるミックスを試みた今回の「プラダ」のコレクションは、現代の衣服における"何でもあり"の文化への答えであるようにも感じられた。マニッシュなシャツの上にジャカードドレスをレイヤードしたり、といったエキセントリックなスタイリングも。アンドロイドの筋肉構造めいたプリントのソックスやスニーカーといった足元も目を引いた。
「トムボーイな女の子たち。やりたいことをやりなさい。自立するの」と評したのは、著名なメイクアップアーティスト、パット・マクグラス(Pat McGrath)だ。彼女自身、メイクアップコレクションをローンチしてビジネスを広げている。
突然新しい世代の競争相手からの挑戦で、突然ミウッチャが目を覚ましたかのような、そんなコレクションだった。
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