2018/01/16
ミラノ メンズファッションウィーク:「ジョルジオ・アルマーニ」の正統派テーラリング
2018/01/16
「ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)」がミラノで見せた18年秋冬コレクションは、いたってシンプルな、テーラリング講座とでも呼べそうな正統派のスタイルだった。
慎ましやかなラグジュアリーに絶妙なアクセントを取り入れたルックにはすべて、「アルマーニ」のDNAが刻まれている。コレクションはアルマーニならではの無彩色のカラーパレットで展開され、様々なグレーのトーンを表現してみせた。
83歳のデザイナーが、いまだ新たな地平を開拓し続けているという事実が垣間見えるコレクションだ。ちなみに、「エンポリオ・アルマーニ(Emporio Armani)」ラインのショーに関しては、春に大きなガライベントをイタリア国外で開催するという計画もあるが、詳細については明かされていない。
とにかく、新モデルのスーツはどれも素晴らしかった。絶妙な色合いのペールグレーの格子柄は、ショート丈ながら八つボタンという仕立て。ルーズなダブルスーツはベルベットタッチのグレンチェック。さらに、しわ加工コーデュロイスーツは、ボトムにアンクル丈の手テーパードパンツを持ってきた。会場となったコンクリート造りの"アルマーニ劇場(Teatro Armani)"の内装に呼応するよう、大半のルックはグレーのバリエーションで展開していた。
チューリップネックのウェストコート、シックなペールカーキのカーゴパンツ、ビッグサイズのイエティコートに、レザーのハイキングブーツといったフレッシュなアイテムや、ディンプルレザーのトートは、きちんと主張のあるコレクションを作り上げていた。
「自由で穏やかなエレガンス」とアルマーニは話す。確かに、メジャーなトレンドを追いかけたミラノ ファッションウィークの中にあって、高級感のある詩的なファッションへの回帰と言えるだろう。
ジョルジオ・アルマーニはこの後パリに飛び、「アルマーニ・プリヴェ(Armani Privé)」のオートクチュールショーを披露する。さらにその後は「エンポリオ」のイベントも控えており、彼の築いたファッション帝国に陽が沈むことはない。
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