ハースト婦人画報社の「Men's Club（メンズクラブ）」が、11月号で創刊から60周年を迎えた。日本国内で最も古い月刊男性ファッション誌。10月末にザ・ペニンシュラ東京で開催されたアニバーサリーパーティーでは会場内に歴代のカバーが展示され、戸賀敬城編集長は「編集コンセプトのリアリティを追求していく」とスピーチした。

　「メンズクラブ」は1954年創刊。35歳の男性をメインターゲットに設定し、読者の平均年齢は37歳。「コストパフォーマンス」と「使えるラグジュアリー」をキーワードに5万部を発行している。年間を通じて「本誌はほぼ完売」（西川昌宏 副編集長）と好調で、増刊などを含めると今年は17冊刊行した。9月24日に発行された11月号では、60年間の「メンズクラブ」の歩みを振り返っている。

　戸賀編集長は、編集コンセプトの「リアリティ」について、「イタリアやパリの男のスタイルではなく、東京のフィルターをかけて、日本人に似合うトレンドを読者に訴求していく」ことを重視しているという。時計をはじめ、車やグルメ、ゴルフといったカテゴリーは、「楽しさ」をテーマに構成。オンラインにも力を入れており、6月にはオンラインサイトを大幅にリニューアルし、メンズライフスタイル総合サイトとして「Men's+（メンズ・プラス）」をオープン。ページビューは2倍に増えて月間200万、35万人のユーザーのうち、女性の割合がおよそ2倍の約20%に増えたという。10月には「念願だった」（戸賀編集長）というEコマースをANAとのコラボレーションによってスタート。戸賀編集長は今後について「コンセプトを強めて、本誌に加えデジタル、EC、イベントといった全方位に力を入れていきたい」と語った。