2015/06/19
モスキーノ at ピッティ・ウオモ、ジェレミー・スコットのロックでバロックな宮廷へ
2015/06/19
イタリアのフィレンツェ。6月18日の夕方、コルシーニ宮の前には、アルノ川に沿って小さな人だかりができていた。「モスキーノ(Moschino)」のショーに出席する選ばれた人々だ。同ブランドは、メンズ展示会「ピッティ・ウオモ (Pitti Uomo)」で今シーズンのゲストとして招かれた。
伊「アエッフェ(Aeffe)」グループの傘下で数シーズンが経つが、アーティスティックディレクター、ジェレ ミー・スコット(Jeremy Scott)が手がけるブランドは大成功を収めている。彼のショーを一目でも見たいと願うファッ ショニスタやフィレンツェ市民は多い。
ジェレミー・スコットの手がける「モスキーノ」のショーは、毎回ファンのセレブリティーが押し寄せては、熱狂を引き 起こしている。今回はピッティ・ウオモのラストを飾るイベントでもあり、歌手のケイティ・ペリー(Katy Perry)から展示会マネージャーまで、フロントロウは豪華な顔ぶれが揃った。
2016年春夏のメンズコレクションはロイヤルなムードで、マリー・アントワネット風のフェミニンなルックも見られた。
オートバイレーサーのヴァレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi)に捧げるモトサイクルルックなどのスポーツテイストを盛り込みながら、ロックと18世紀バロックスタイルをアイロニカルなテイストで融合。フレスコ画で覆われた会場をモデルが歩き回り、ルックごとに 観客を魅了した。
ショーの雰囲気はまるでお祭り。ランウェイにはディスコ調にガラスの床が敷かれ、巨大な王冠を被ってずっしりとしたペンダントをぶら下げたモデルがその上を闊歩すると、様々な色に光る。
メイクをして紅を引き、カサノバ風のウィッグをつけたメンズモデルたちが、時に滑稽な程に過剰な装いを競い合う様は、さながらヴェルサイユ宮殿の貴族のよう。
タペストリー調のスーツやリボン、刺繍を施したジレから覗くジャボのついたブラウス、貴族風のキュロット、黒だけでなく色とりどりの乗馬コートなどなど、「モスキーノ」のメンズスタイルに「やりすぎ」はない。
ラグジュアリーでアイロニカルなディテールでの遊びも随所に見られた。金の刺繍入りのスーツの上からピンクのボアを無造作に肩に羽織るスタイルや、小物ではレースのミトン、頭の羽飾りや、頰のつけぼくろまで。
もちろん、どこまでも大胆なスタイルも忘れてはいけない。たとえば、ジャボブラウスとパンツのアンサンブルルックは、トランスパレントな総レースだ。
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