免税取扱会社プレミア・タックスフリーの親会社を仏ユーラゼオが買収

　フランスの投資会社ユーラゼオ（Eurazeo）が、免税取扱会社プレミア・タックスフリー（Premier Tax Free）を傘下に持つフィントラックス（Fintrax）の株式を、3億ユーロ（約392億8800万円）で90％取得したと発表した。

　ユーラゼオ社は「5億5000万ユーロ（約719億8300万円）相当の企業価値に対して、3億ユーロを投資する」としており、「2016年の業績によっては」3500万ユーロ（約45億8000万円）を上乗せする見込みだという。買収は年内に完了する予定だ。
 
　フィントラックスは1985年にアイルランドで創設され、世界的な免税取扱会社のプレミア・タックスフリーの親会社として知られる。他にも、海外で自国通貨での決算を可能にする自動両替サービスなども提供している。

　同社の主な顧客はラグジュアリーブランドで、世界30ヵ国に渡って、1万4000社の小売業者を相手に15万店舗でサービスを提供している。2015年7月期通年の売上高は1億9800万ユーロ（約259億1400万円）で、2011年以来、平均して年に21％のペースで増収している。
 
　ユーラゼオキャピタル側は、「わが社はラグジュアリー、トラベル業界に強く、更に中国・ブラジルでも国際的なネットワークを有している。そういった強みを生かして、フィントラックスの発展を加速させていきたい」とコメントしている。
 
　電話会議では、楽観的な展望も明らかにした。「新興国では、特に影響力の大きい中産階級が急増している」。
 
　フィントラックスの今後に関しては、ヨーロッパでの地位を固め、特にアジアに重点を置いてグローバルな展開を進めていく方針だ。
 
　ユーラゼオは2015年1～6月の期間で、総額12億ユーロ（約1571億5400万円）相当、6回に渡る企業売買を行った。「モンクレール（Moncler）」の株式も13％所有している。
 

（2015年11月23日現在、1ユーロ＝131円で換算）