昨年から全館改装を進行していた松坂屋上野店 本館が3月12日、地下1階食品街の完成と共にグランドオープンした。南館建て替え工事のため、同日から本館のみの一館体制に変更。開店前には多くの人が並び、大丸松坂屋百貨店の好本達也社長や近藤保彦店長が参加してのオープニングセレモニーが実施された。

　リニューアル後の本館は、従来から得意とする近隣の60歳前後とシニア層をターゲットに、「暮らしに密着したに日常的に利用できる百貨店」を目指して食品と雑貨をメインにした売り場を展開。先行営業していた銘菓名店ゾーン含めて今日オープンした食品フロア「ほっぺタウン」は、「タウン＝街」に見立てて売り場を構成しており、合計89ブランドのうち33ブランドが同店舗初の取り扱いとなる。他のフロアでは、昨年10月にオープンした「マダムセレクション」をはじめ、中2階の「サポートラボ」や「ぐっすりラボ」など、"アラ60"とシニアに向けた特徴化売場を設置。「FAX注文配達」や「ファッション相談」などの新サービスも提供する。

　オープニングセレモニーに出席した近藤店長は、「上野に出店して245年。長い間営業してこれたのは、地域の皆様に支えられてきてのこと。本日はご来店ありがとうございます」と挨拶。テープカットを終えると並んでいた人がファンファーレの演奏と共に館内に入り、本館は「ほっぺタウン」を中心に多くの人で賑わっている。

　本館は今回の改装により、営業面積を従来の約6割に縮小。建て替え後の南館は、パルコやTohoシネマズ、オフィスを1棟に集めた高層複合ビルとして2017年秋の開業を予定しており、総事業費は本館改装の約23億円を含めた約200億円となる見込み。近隣には「ユニクロ」や「GU」が出店する「（仮称）上野三丁目店舗ビル（上野吉池）プロジェクト」が4月にオープン予定で、好本社長は「ここは、力があるエリア。多くの人に来てもらって、一緒に盛り上げていきたい」と話している。