高島屋大阪店で、9月11日から新鋭クリエイタ―やアーティスト16組にフォーカスしたイベント「New Creators meet Takashimaya」がスタートした。阪急メンズ東京では「liberum arbitrium（リベルム アルビトリウム）」や「08sircus（サーカス）」、渋谷パルコでは「Jun Okamoto（ジュン オカモト）」の期間限定店が出店し、また伊勢丹新宿本店の編集売り場「Tokyo解放区」では積極的に新進ブランドを展開している。百貨店やファッションビルが若手デザイナーらのクリエイションに注目し、直営店を持たない新進ブランドにとって知名度を上げ市場を知る試験的な場が各所に開設されている。

　高島屋大阪店の「New Creators meet Takashimaya」では、デザイナー小野智海による名前のないブランドのほか、画家やアーティストとコラボレーションしたタイツを展開する「ワンピースとタイツ」や瀬戸内国際芸術祭で作品を発表した「Potto（ポト）」など、16ブランドにフォーカス。25日までの期間限定で独創的なクリエイションを紹介する。阪急百貨店うめだ本店では9月25日から10月1日まで、「Tokyo新人デザイナーファッション大賞」のプロ部門に入賞した11ブランドの新作販売会を開催予定。「Yasutoshi Ezumi（ヤストシ エズミ） 」や「uemulo munenoli（ウエムロムネノリ）」、「Neb aaran do（ネバアランド）」などが参加する。いずれも若手デザイナーに新作コレクションの販売の機会を提供すると共に、クリエイティブな最新コレクションを一堂に集める。

　百貨店の新進的なインキュベーションの取り組みとして、伊勢丹新宿本店では過去にカリスマバイヤーの異名を持ち現参議院議員の藤巻幸雄が1994年にプロデュースした編集売り場「解放区」が復活し、3月から「今の東京」を発信するテンポラリー式のコンセプトショップ「Tokyo解放区」として本館2階に開設された。これまで「Jenny Fax（ジェニー ファックス）」や「himitsu by Syrup.（ヒミツ バイ シロップ）」などが、これまでの百貨店になかった個性的な売り場を期間限定で展開してきたほか、現在はデザイナー神田恵介が手がける「keisuke kanda（ケイスケカンダ）」が「美少女戦士セーラームーン」とのコラボレーションアイテムを販売して話題を集めている。これに続き、9月25日から台湾人デザイナー「Dario（ダリオ）」が出店予定。阪急メンズ東京では「liberum arbitrium」が9月17日まで、「08sircus」が9月24日まで、いずれもブランド初のポップアップストアを出店している。また渋谷パルコでは、「Jun Okamoto」がパート1の1Fという好立地に期間限定ショップを開設した。期間限定で出現する「ポップアップ」という出店スタイルはメジャーになりつつあるが、売り場を提供する百貨店やファッションビル側にとっても次世代のトップデザイナーや新規顧客層を開拓する試みになっている。