掲載日
2011/08/10
2011/08/10
震災後の4月以降に繊維・アパレル関連製造業で倒産増加
掲載日
2011/08/10
2011/08/10
帝国データバンクが、2010年および2011年1月~7月の繊維・アパレル関連業者の倒産動向について調査した。
東日本大震災の発生に伴う消費の自粛ムード、店舗の損害や計画停電による営業休止、営業時間の短縮など、大きな影響が懸念された繊維・アパレル業界。地震直後の3月には大幅な売り上げの減少を余儀なくされた小売店も多かったとみられる。
4月以降は、節電意識の高まりに伴う「スーパークールビズ」が話題を集めるなど、小売りを中心に回復傾向が鮮明になってきているが、東北地区に集積する縫製工場など、製造への影響も懸念されている。
調査結果として、2011年1から7月の繊維・アパレル関連業者の倒産件数は、前年同期比2.7%減の428件と、ここ数年とほぼ同水準で推移したことが分かった。倒産件数のピークは2002年(880件)だが、ここ数年は、700件台で高止まりをみせており、2011年も同様のペースで倒産が発生している。
業態別にみると、「製造」で倒産件数が増加に転じたのが大きな特長といえる。東日本大震災発生後の4月以降大幅な増加傾向を示し、その結果として1-7月の倒産件数は前年同期比11.0%増の121件となった。生産拠点の海外シフトにより、縫製工場など製造の空洞化が長年大きな問題となってきたが、円高の進行や中国などのマーケット拡大に伴う現地生産・現地販売の増加など、国内の製造現場は厳しい状況に直面している。そうしたなかで、大震災が倒産増加のきっかけとなった可能性がある。
2011年の「小売」の倒産は、7月までに前年同期比16.4%減の148件。節電によるクールビズ特需など、販売回復が鮮明になっている現状を反映している。
2010年の倒産件数が、700件を超える高水準で高止まりしたものの、前年比8.0%減と5年ぶりの減少に転じた。リーマン・ショックの影響が色濃く現れた2009年の状態から、落ち着きを取り戻していると言えるだろう。
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